俳優の宮沢氷魚(ひお)さんが、映画「his」(今泉力哉監督、2020年1月24日公開)で主演を務めることが7月30日、明らかになった。宮沢さんは、放送中の連続ドラマ「偽装不倫」(日本テレビ系、水曜午後10時)に伴野丈役で出演しており、同ドラマの原作者の東村アキコさんがツイッターで「塩顔イケメン令和代表」と絶賛するなど注目の若手俳優。今作は宮沢さんの映画初主演作となる。

 藤原季節さん、松本若菜さん、松本穂香さん、外村紗玖良ちゃん、中村久美さん、鈴木慶一さん、根岸季衣さん、堀部圭亮さん、戸田恵子さんの出演も発表された。

 映画は、神奈川・江の島を訪れた男子高校生の井川迅と湘南の学校に通う男子高校生の日比野渚の2人の間に芽ばえた友情は、やがて愛へと発展し、お互いの気持ちを確かめ合う。しかし、迅が大学卒業を控えたころ、渚が「一緒にいても将来が見えない」と別れを告げる。出会いから13年後、迅は周囲に同性愛者だと知られることを恐れて、1人でひっそりと田舎暮らしをしていた。ある日、6歳の娘・空(紗玖良ちゃん)を連れた渚が迅の前に現れ……という展開。

 宮沢さんは迅、藤原さんは渚、松本若菜さんは渚の妻の玲奈に、松本穂香さんは迅に恋する美里、鈴木さんと根岸さんは迅と渚を優しく見守る近所の人々、堀部さんと戸田さんは親権を争う裁判を担当する弁護士を演じる。脚本は、バラエティー番組の放送作家としても知られるアサダアツシさんが担当。同じ今泉監督とアサダさんの脚本で、ダンス&ボーカルユニット「EBiSSH」の草川直弥さん主演で2019年4月に「his~恋するつもりなんてなかった~」(メ~テレ)と題した連ドラも放送された。

 ◇宮沢氷魚さんのコメント

 まず、初主演映画を今泉力哉監督はじめ、素晴らしいキャスト、スタッフの皆さんと作ることができたことをとてもうれしく思っています。僕は光栄なことに、小さいころから多国籍、多文化な環境で育ちました。同級生にはゲイ、バイセクシュアルの人もいて、LGBTQへの認識や理解は常識だと勝手に思っていましたが、日本ではまだまだそんなことはなく、何もできない自分にむずむずしていました。

 今回このお話が来て、素直にうれしく、絶対に引き受けたいと思いました。僕が演じる井川迅はゲイであることを隠してひっそりと田舎で生きている青年です。本作は同性愛をきれいに描写したものではなく、美しさ、醜さ、愚かさ、純情さ、など人間の生き様そのものを描いています。性別を超え、人を愛し、人に愛されるということはどういうことなのか。「his」にはそのすべてが詰まっています。この作品が一人でも多くの人に届き、迅という役を通して思いが伝わることを心より願っています。

 ◇藤原季節さんのコメント

 宮沢氷魚くんが演じた迅はダイヤモンドのような人です。迅が持っている傷だらけの魂が、映画の中で洗練されて、まるでダイヤモンドみたいに輝いていくのです。一方、僕が演じる渚は泥で塗り固められた魂を持っています。でも泥を落とせば傷のないピュアな魂があるとは思います。

 撮影中は氷魚くんとほぼ24時間一緒に暮らしながら過ごしましたが、次第に2人とも役と心がシンクロしてしまい、苦しみました。迅役が宮沢氷魚でなければあの苦しい撮影を乗り越えることはできませんでした。僕の娘を演じた外村紗玖良ちゃんは太陽のような女の子です。でも曇った心もちゃんと持っているので、つまり空です。そういえば娘の名前も空(そら)でした。

 宝石と空と今泉組に囲まれた幸せな日々。映画の1秒1秒が本当に僕の宝物です。この宝物を苦しみながら生み出しプレゼントしてくれた、今泉力哉監督をはじめとした「his」チームの皆に心から感謝します。早くこの宝物を日本中に届けたいです。