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あなたは眠るとき、電気を消しますか?
それともつけたまま布団に入りますか?

真っ暗の部屋とある程度明るい部屋。どちらのほうが落ち着いて眠れるかは、人それぞれかもしれません。

でも、じつは電気をつけたまま眠ることで、人の身体にはさまざまなリスクが生じると言われています。電気をつけたままの睡眠で心配なのは、電気代だけではないのです。

そこで今回は、電気をつけたまま寝ることで生じる健康にかかわるリスクをご紹介します。

また、「真っ暗では落ち着かない」という方のために、ちょっとした対処法もご紹介していきましょう。


要注意!電気をつけて寝ることで生じる7つのリスク

電気をつけて眠ることで生じるリスクはさまざまです。

具体的には、次のようなものが考えられています。

リスク1 睡眠障害

ぐっすり眠り、疲れをすっきり取るためには、「サーカディアン・リズム」と呼ばれる体内時計のリズムを整えることが大切です。

このサーカディアン・リズムを正常に整えるためには、夜と昼とのメリハリを脳ができるだけきちんと感じる必要があります。

電気をつけたまま眠ると、部屋は一晩中明るい状態になります。まぶたを閉じていても、脳は光を察知して「今は昼なんだ」と誤解してしまう可能性が高いのです。

ちなみに、豆電球程度の光でも、睡眠中の脳にとっては明るすぎると言われています。

私たちの脳は、睡眠のためにさまざまな働きをしています。暗くなれば夜だと感じて「メラトニン」という眠くなるホルモンを分泌します。一方、明るくなれば昼だと感じて覚醒作用のあるホルモンを分泌します。

このリズムが崩れると、脳は混乱してしまい、昼と夜との区別がつかずに「眠気」をうまくコントロールできなくなるのです。

脳の混乱により、

  • 夜になっても寝付けない
  • 夜中に何度も目が覚める
  • 朝早すぎる時間に目覚めてしまう
  • 逆に、朝なかなか起きられない
  • 日中、眠くて仕方がない

といったさまざまな睡眠障害の症状が引き起こされてしまいます。

リスク2 疲れやすくなる

前述のように、ぐっすり眠る脳の機能がバランスを崩すと、日中疲れやすくなります。

というのも、睡眠には脳と身体の疲労を回復し、傷ついた場所を修繕する役目があるためです。

疲労を回復するのは「成長ホルモン」というホルモンです。これは子どもだけでなく大人にとっても非常に大切なホルモンなのですが、これは深く眠っている状態のときにしか分泌されません。

つまり、睡眠の質が悪くなったり、寝付けずに睡眠不足になったりすると、疲労を回復するホルモンを分泌しにくくなってしまうのです。

睡眠不足の状態では疲れやすく、だるい感じがする……というのは、誰しも経験したことがあるかと思います。

部屋の電気をつけたまま眠ることで、この疲れやすさやだるさが常に付きまとうようになってしまうリスクがあります。

リスク3 肥満や過食

睡眠が分泌に影響を及ぼすホルモンは、成長ホルモンだけではありません。

食欲を抑制し、正常に保ってくれる「レプチン」というホルモンも、睡眠の質が落ちたり睡眠不足になったりすると、分泌が激減してしまいます。

あなたは、徹夜をした翌日、お腹がすいているわけでもないのに「何か食べたくて仕方がない」という気分になったことはありませんか?

これはレプチンが不足するためです。

レプチンの不足により、食欲がうまくコントロールできなくなり、過食に走ってしまったり、太りやすくなってしまったりします。

リスク4 うつ症状を招きやすい

不眠などの睡眠障害や、慢性的な睡眠不足を抱えている人は、うつ病になりやすいという研究結果もあります。

睡眠がうまくとれないと、心身の疲労を回復できず、脳内に溜まったストレス物質に対しても充分な対処ができません。

いつもイライラしたり、気分の落ち込みを感じたりするようになり。それが続くとうつの症状へと進化してしまうことがあります。

リスク5 認知症を招きやすい

認知症の約5〜7割を占めるアルツハイマー型認知症は、老廃物の一種である「アミロイドベータ」と呼ばれる物質が、脳内に蓄積されることで引き起こされると言われています。

老廃物アミロイドベータは、睡眠中に脳が収縮することで、頭蓋骨と脳の間にわずかにできた隙間から、髄液(ずいえき)という分泌液に乗って押し流され、体外に排出されていきます。

ところが、脳の収縮は深く眠ったときにしか起こらず、睡眠不足や睡眠障害を抱えていると、アミロイドベータがうまく排出できないのです。

蓄積されたアミロイドベータは脳を攻撃し、アルツハイマー認知症の原因となるおそれがあります。

リスク6 乳がん、前立腺がん

電気をつけたまま眠ることで、脳が昼と夜とのメリハリをつけられなくなってしまうと、乳がんや前立腺がんを発症するリスクも高まるおそれがある、という研究結果があります。

ハーバード大学附属病院では、夜勤の看護師と日勤の看護師それぞれについて、乳がん、前立腺がんという2種類のがんの発症率を調査。

どちらのがんについても、夜勤の看護師のほうが、日勤の看護師よりも発症率が高いというデータが明らかになりました。

詳しい原因はまだわかっていませんが、このデータにより、睡眠リズムが崩れることでがんのリスクも高まることが示唆されています。

リスク7 老化の促進

睡眠リズムが崩れると、眠気を司る「メラトニン」というホルモンの分泌もうまくいかなくなります。

このメラトニン、じつは「若返りホルモン」とも呼ばれていて、細胞を酸化から守り、全身のアンチエイジングに役立つと言われているのです。

まぶた越しに電気の光を感じたまま睡眠をとると、このメラトニンが減少します。

メラトニンの減少により、老化が促進されてしまうリスクもあるのです。

「真っ暗だと眠りづらい」そんなときはどうしたらいい?

電気をつけたまま眠ると、脳が光を感知して「昼間だ」と誤解してしまい、睡眠の質を下げてしまいます。

睡眠の質が下がることで、

  • 睡眠障害
  • 疲れやすさ
  • 太りやすさ
  • うつ症状
  • 認知症
  • 乳がん、前立腺がん
  • 老化の促進

といった、さまざまなリスクを招いてしまうのです。

前述のとおり、豆電球くらいの明るさでも脳は「明るい」と感じてしまいます。寝るときには、できれば電気は消して、真っ暗な状態で眠るほうが身体のためには良いと言えます。

ただ、中には「真っ暗だとかえって寝付けない」という人や、「一緒に寝ている子どもが暗いと怖がって眠らない」という人もいるでしょう。

そうした場合におすすめなのは、だんだんと光の量を調節して、少しずつ慣らしていくことです。

部屋の電灯を明るさが細かく調節できるものに付け替えて、1週間ごとに少しずつ明るさを落としていくことで、真っ暗ではなくとも可能な限り暗い環境に慣れることができます。

またタイマー式の電灯ならば、眠ってしまった後で電気が消えて真っ暗になるので、これもおすすめです。

身近すぎてあまり意識することのない「睡眠」ですが、健康にとって非常に大切な時間です。

できるだけ暗い環境で眠れるよう、可能な範囲で工夫してみてはいかがでしょうか。

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