スナックで声優イベント!? 田所あずさ、昭和の薫り漂う空間でライブ&トークを披露【レポート&インタビュー】
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7月21日、アルバム『ネヴァーランド -Voice Actor×売野雅勇-』の発売を記念したイベントが、五反田にあるスナック「コワーキングスナックCONTENZ分室」にて開催されました。

出演は、人気声優と作詞家・売野雅勇のコラボアルバム『ネヴァーランド』に歌唱参加した田所あずささんと、アルバムのスーパーバイザーである吉田尚記さん(ニッポン放送アナウンサー)。スナックならではのゆったりとした雰囲気でトークや歌唱が披露されました。

本稿では、定員わずか16名という贅沢な空間に潜入取材! 田所さんへの単独インタビューも含め、イベントの様子をたっぷりお届けします。

■同窓会のようなアットホームさ



イベントの会場は、下戸である筆者には縁遠いスナック。昭和の香りが漂うビルの一角です。思わず「場所間違えてないよね?」と、周囲を見回してしまいました。


店の名前を確認し、いざ会場へ! すると田所さんファンの方々が、和気あいあいとした雰囲気でイベントの開始を待ちわびていました。

今回のイベントは抽選で当たったアルバム購入者だけが参加できるので、ファンはほとんど初対面のはず。それでもこぢんまりとした空間で身を寄せ合うように座っていると、だんだんと旧来の友人のように思えてきます。
司会を務める吉田アナが入ってきたときには、同窓会のようなアットホームさで出迎えていました。

田所さんが到着するまでの間、吉田アナがトークで場を盛り上げます。「自分ワクワクすることをやってみたかった。『ネヴァーランド』の曲にはスナックが似合う」と、バーカウンター越しに語りました。
小さな会場なので、マイクを使わなくても後ろまで声が届きます。この距離の近さにも、独特の温かさを感じました。

■スナックは身近な場所?


左から田所あずささん、スナックのママ・さえこさん

トークをしているうちに、田所さんが到着。スナックに映える深紅のワンピースで入店しました。
お酒があまり得意ではないという田所さん。すかさずママがジンジャーエールをベースにしたお酒を出します。

まだ20代後半だというママを見て、「私が思っていたイメージと違う!」と驚く田所さん。
実は田所さんの祖母はスナックを営んでいたそうで、幼い頃から身近な場所に感じていたと語ります。

■田所あずさ×昭和歌謡



全員で乾杯をした後は、『ネヴァーランド』に収録された「あなたの淋しさは、愛」の裏話をたっぷり聞かせてくれました。
『ネヴァーランド』は作詞家・売野雅勇さんと声優のコラボレーションCD。もちろん「あなたの淋しさは、愛」でも売野さんの歌詞が光ります。
作曲はこれまた昭和歌謡のヒットメイカーである筒美京平さん。河合奈保子さんの「エスカレーション」など、売野さんとのコラボは名曲ぞろいです。


「名だたる歌手の代表曲を手がけた売野さんに、声優本人を描いた曲を書いてもらったら面白いと思った。声優はキャラクターソングを歌うことはあっても、自分についての曲を歌うことは少ないので」とアルバム制作のきっかけを語る吉田アナ。
『ネヴァーランド』の収録曲は、声優のインタビュー映像を売野さんに見せて歌詞を書いてもらう、という一風変わった方法でつくられています。

インタビューではプライベートも含め、人生そのものに迫ったそう。売野さんは「田所さんのインタビューは歌詞を書くのも忘れてしまうくらい面白かった」と太鼓判を押していたようです。

しかし歌詞を見たとき、田所さんは「本当にあのインタビューからこの歌詞が生まれたのか」と疑問に思ったと明かしました。読みこんでいくうちに、「これは売野さんが私に宛てたお手紙なんだ」ということに気づいたといいます。

『ネヴァーランド』リリース前に行われたワンマンライブでは「あなたの淋しさは、愛」を特別に披露した田所さん。“タドコロック”中心のセットリストの中、この曲は明らかに雰囲気が異なり、ライブに訪れた祖母が「歌謡曲だから聴きやすくてよかった」と言ってくれたことが印象に残っていると嬉しそうに語りました。


ここでスナックの定番であるカラオケの機械が登場し、会場の熱気が高まります。
控室もリハーサルもない異例のイベントのため、まずは声出しを兼ねて1曲。アン・ルイスさんの名曲「あゝ無情」を披露しました。
「ライブよりも気楽に歌えた」という田所さん。お客さんも合いの手で盛り上げ、距離がさらに縮まりました。

■「“私”は売野さん、“あなた”は私自身」



喉も場の空気も温まり、いよいよ「あなたの淋しさは、愛」を披露……と思いきや、なんと売野さんからお手紙が! さっそく吉田アナが読み上げます。

作詞中は、まるで田所さんの精神と会話しているようだったという売野さん。
「インタビュー中の言葉をそのまま歌詞にできそうなほど内容が濃く、魂を揺さぶられた」と、愛のあるメッセージがつづられていました。


手紙を受け、「歌詞の内容を噛みしめるように歌いたい」と気合を入れる田所さん。ひとつひとつの言葉をそっと置くかのように、丁寧に歌い上げました。
スナックに響き渡る歌声はのびやかで、ほんのりと淋しさも伝わってきます。お客さんも目に涙をためながら、魂のこもった曲に耳を澄ませました。


カラオケ後、「手紙のおかげで思い入れもひとしおだった」と語った田所さん。「歌詞の中に出てくる“私”は売野さん、“あなた”は私自身のことなのかな、と思った」と続けます。

すると吉田アナは「田所さんが40代くらいになって歌うと、また解釈が変わると思う」と、時が経っても色あせないようなこの曲の魅力を語ります。
ライブ会場はもちろん、スナックのようなアットホームな空間で歌ってこそ、真価を発揮する曲だと感じました。


曲の余韻がじんわりと漂う中、田所さんが締めの乾杯。お客さんひとりひとりの幸せそうな表情を前に、「ずっと歌い続けたいと思える素敵な曲や機会をもらえた」と笑顔で語り、イベントは幕を閉じました。

イベント直後の田所さんにお話を伺うと、昭和歌謡との意外な接点を教えてくれました。

■「売野さんからのメッセージを噛みしめた」


――スナックでイベントをする、という機会はなかなかないと思います。いつもやっているライブやイベントとは違う雰囲気を感じましたか。

田所:お客さんとの物理的な距離だけでなく、心の距離もより近く感じました。アーティストとしてではなく、私が店員としてお客さんと接している、と思えたほどです。

――バーカウンター越しにお客さんがいましたからね。反応も直に感じられたと思います。イベント中、とくに印象に残った場面はありますか。

田所:売野さんからのお手紙は、とても印象に残っています。歌詞を書いたときの気持ちを言葉にしていただけたことで、曲がまた違ったものに感じられました。

売野さんからの田所さんへの手紙

――お手紙をもらってから披露した「あなたの淋しさは、愛」は、どのようなところを心がけて歌ったのでしょうか。

田所:歌いながら、改めて歌詞を噛みしめていました。カラオケの画面で歌詞を見ていると、「ここは売野さんからのメッセージなのかな」と思えるところもあって、不思議な感じがしました。

■昭和歌謡は身近な存在


――イベントでは声出しを兼ねて昭和歌謡も披露されましたね。普段カラオケに行ったときにも、昭和歌謡をよく歌うのでしょうか。

田所:よく歌います。最近のかっこいい曲も聴きますが、歌うとなるとキーが高くてテンポも速い。カラオケには声出し目的で行くことが多いので、キーが低めでゆったりとした歌謡曲を歌っています。
石川ひとみさんの「まちぶせ」とか、昭和歌謡以外ではKiroroさんや槇原敬之さんの曲もよく歌います。

――平成生まれの田所さんにとって、昭和歌謡のサウンドはどのように感じますか。

田所:私の祖母がスナックをやっていたので、幼い頃から昭和歌謡に触れる機会が多かったかもしれません。
スナックのカラオケでお客さんが歌っている曲を聴いたり、家族で歌ったりすることもあったので。祖母もよく鼻歌で歌っていました。
ほかの平成生まれの人よりも、もしかすると昭和歌謡を身近に感じていたかもしれません。

――幼い頃の原体験が、『ネヴァーランド』とも結びついているかもしれませんね。

田所:そうですね。曲を聴いて、不思議と「なつかしいな」という気持ちになったので。昭和歌謡のサウンドも好きなので、今回挑戦できて嬉しかったです。

――また今回のようなイベントがあったら、やってみたいですか。

田所:ぜひやりたいです! ほかのイベントとは雰囲気が違いますし、お客さんだけでなく私自身もリラックスできたので。
スナックの醸し出す雰囲気や、あの距離の近さゆえだと思ったので、また機会があったらやってみたいです。今度は持ち歌に限らず好きな曲を入れて歌い続けたいですね。

◆ ◆
「あなたの淋しさは、愛」が魅力的な曲に仕上がったのは、歌詞だけではなく田所さんのパーソナリティによるところも大きいでしょう。
幼い頃から昭和歌謡に接する機会が多かったこともあり、サウンドとの親和性も抜群。曲やイベントを通して、これまでになかった新たな一面を垣間見ることができました。

ちなみに今回のイベント会場となった「コワーキングスナックCONTENZ分室」では、2019年8月31日まで来店者限定キャンペーンを開催中。『ネヴァーランド -Voice Actor×売野雅勇-』を持って足を運ぶと、ここだけのスペシャル映像を見ることができます。また、先着でポストカードもプレゼント。
対象店舗などの詳細は、公式サイトでチェックしてみてください。
《ハシビロコ》
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