女優のソニンさんが、俳優の唐沢寿明さん主演の連続ドラマ「ボイス 110(イチイチゼロ)緊急指令室」(日本テレビ系、土曜午後10時)の第5話(8月10日放送)にゲスト出演する。近年、活動の中心が舞台で、2015年度の第41回菊田一夫演劇賞、2018年度の第26回読売演劇大賞・優秀女優賞を受賞するなど、演劇界で高い評価を得てきたソニンさんにとって、実に7年ぶりとなるドラマだ。「月並みなんですけど、成長を見てもらいたいです」と明かすソニンさんに、役柄や演技に込めた思いを聞いた。

 ◇殺意や狂気よりも「本人の心の弱さ」を繊細に表現

 7年ぶりとなるドラマ出演が決まって「率直に言って、すごくうれしかったです」と笑顔を見せるソニンさんは「舞台を見たことのない人にとって、今現在の私のイメージがないだろうし、どこかで(そのイメージが)止まっていると思うので、人生経験を積んで、大人になったという意味での成長もそうだし、表現者としての成長も見せられたら」と意気込む。

 今回、演じるのは子供への虐待が疑われる母親・一ノ瀬奈央。先日、子供に向かって刃物を向ける衝撃的な場面写真も公開されたが、役を通してソニンさんが「見せたい」「伝えたい」と感じたのが、奈央という女性のバックグラウンドだ。

 暴力的、猟奇的な部分については「ドラマとして、少しオーバーに描いている部分はある」としながらも、「監督とも話をして、私が『見せたい』と強く思ったのは、奈央の背景。ドラマのストーリー展開にも関わる部分でもあり、表面的なものだけじゃない、彼女の裏側をどこまで見せることができているのかっていうのは、一つの挑戦でもあったので。難しかった分、やりがいもありました」と明かす。

 さらに「ただ単に子供がうっとうしくて、いじめたい、虐待したいっていうふうにはならないように意識しました」といい、「殺意や狂気よりも、本人の心の弱さ、“何かに支配されている”っていうところを繊細に表現するようには心掛けました」と振り返る。

 ◇「母親」は先生でも師匠でもない…

 近年、ニュース番組などで目にすることも多くなった「親から子への虐待」。今回のドラマでも、「こういうことは普遍的に、普通に起こりうる事件ですよというのが裏テーマとしてある」と話すソニンさん。「ニュースでもそうじゃないですか? 普通の家庭でこんな残酷なことが起こっていたんだ、ということが結構あるので。私自身、この役の話をいただいて、よりニュースを見るようになりましたし、虐待してしまう人の心理、なぜこういうことになってしまったのか、こうならないために周りは何ができるのかというのを、見てくださった皆さんも考える機会になれば」と思いを語る。

 また、ソニンさんは、「母親って誰しも最初は、何が常識で何が正解かは分からない。そもそも正解っていうのはないし、しつけにしても、どこからが虐待かっていうボーダーラインもあいまい。母親は先生でも師匠でもなくって、一人の人間。自分が育ってきた環境にも大きく左右されるので、そこを他者が責める権利もあまりないような気がしていて……」と複雑な思いものぞかせつつ、「大変で、時に追い詰められる立場でもあるのかもしれないんですけど、その先に得られるものっていうのは大きいとも思っていて。ある意味、子供を産んだ人だけの対価でもあるので、私もいつか母親になってみたいと思ってはいます」と語っていた。

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