女優の沢口靖子さんや長澤まさみさん、上白石萌歌さんらを輩出した東宝「シンデレラ」オーディションで、2016年にグランプリに選ばれた福本莉子さん(18)が、日生劇場(東京都千代田区)で8月3~5日に上演される音楽劇「あらしのよるに」に出演する。昨年、初主演ミュージカル「魔女の宅急便」でキキ役を務めた福本さんにとって2度目の舞台。今回はヤギのメイとして「成長したところを見せられたら」と意気込み、「子供から大人まで笑って楽しめる音楽劇になるんじゃないのかなと感じています」と期待感をつのらせる福本さんに話を聞いた。

 ◇「魔女の宅急便」のキキ役をやり通し… 

 昨年、「魔女の宅急便」に出演できたことを「自分の中での自信につながっている」と話す福本さん。「新国立劇場で10日間。期間も長くて、キキとしてエネルギーも使うので、1日2公演の日とか、つらくて大変な時もあったんですけど、そういうのも全部、乗り越えて、やり通せたのは自信になりましたし、すごく貴重な経験ができたと思っています」と振り返る。

 「魔女の宅急便」から「あらしのよるに」までの期間、映像作品の撮影が続き、けいこを始めた頃は「ゼロの状態だった」という福本さんだが、「けいこを重ねる中で、自分のアイデアも出せるようになって、『魔女の宅急便』での経験が自分の中で生きているなって感じています」と少し自信がついた様子。

 「前回は『自由にやっていいよ』と言われて、その自由さに戸惑ってしまったんですけど、今回は舞台上でより動けていると思います。物をあまり使わず、体でいろいろなことを表現するというのもこの作品の特徴でもあるので、私も身体表現を頑張っています」と充実感をにじませる。

 ◇「あらしのよるに」ではヤギのメイの「心の強さ」意識

 「あらしのよるに」と言えば、きむらゆういちさんの絵本はもちろんのこと、2005年に公開された劇場版アニメも有名だ。福本さんも「私も小さい頃にアニメを見たことがあって、感動したのを覚えています」と告白。今回、役作りのため「改めて絵本ももちろん、小説も読んだ」といい、「オオカミとヤギの話なんですけど、すごく、人間を描いているって感じがして。そういった部分を、私たち人間がお芝居を通して表現するのにあたり、大事にしなくちゃなって思いました」としみじみ語る。

 ヤギのメイを演じるにあたって意識しているのは「心の強さ」。「オオカミのガブ(渡部豪太さん)と比べて、メイは力は強くないかもしれないんですけど、実は心が強い。だから私も舞台上でメイとして、ガブのことを引っ張っていけるようにという気持ちは持ち続けていようと思っています」と強い思いも。

 さらに「ヤギは群れ社会なんですけど、メイはその中では変わっている。一人でフラっとどこかへ行って、空を見上げていたりして。そういう自由さ、気ままに生きている感じは自分にも似ているなって」と共感を抱きつつ、「『ひみつのともだち』という歌があって。メイとガブが最初に友達になった時に歌う歌と、会えなくなった2人が歌うパート2があるんですけど。最初は友達になれてうれしいという歌。パート2の方は、不信感や葛藤といった2人の心情を表している歌なので、ぜひ劇場で聴いてもらいたいです」と声を弾ませる。

 ◇女優として一歩ずつステップアップ「やればやるほど、どんどんと視野が広がる」

 来年は、浜辺美波さんとダブルヒロインの「思い、思われ、ふり、ふられ」と、初の単独主演となる「しあわせのマスカット」の映画2作品の公開が控える。女優として一歩ずつステップアップを続ける福本さんは、舞台げいこや映画の撮影を通じ、「以前は気付けなかったことに気付けるようになってきた」と手応えを明かす。

 「やればやるほど、どんどんと視野が広がるというか。自分のことだけじゃない、相手の方の変化に対応したり、そういった生のお芝居、かけ合いが楽しくて」と笑顔を見せる。今後に向けては「いろいろな役に挑戦してみたいっていうのはあるんですけど、髪の色を変える、染めたりするような役にチャレンジしてみたいですね。そういう機会じゃないとやれないことでもあるので、普段とは違った自分を見てみたいという意味でも」と語っていた。